コンセプトの維持とM&A

例外はありますが、大概のチェーンレストランのコンセプトは20年から25年で消費者を引き付ける魅力を失っています。 その時を見越して複数のコンセプトを育てようとする企業、基幹コンセプトが低迷して初めて新コンセプトを生み出そうとする企業、新コンセプト育成よりも新しいコンセプトを買収する企業、別資本に自らを売却する企業と企業の考え方はまちまちです。 
下の表は、2010年後半から2012年までの主なテーブルサービスレストランのM&Aをまとめたものです。
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2013年1月末にアメリカ中部、中南部19州でファミリーレストラン、「ボブエバンス」(565店舗)を展開するボブエバンスファーム社(本社:コロンバス、オハイオ州)が、グループ企業のミミズカフェ社(本社:アーバイン、カリフォルニア州)をフレンチベーカリーレストラン企業のル・ドゥフアメリカ社(本社:ダラス、テキサス州)に売却しています。 ボブエバンスファーム社は、この買収でミミズカフェのコンセプトを全く活用できなかったといえます。 
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2013年2月に入って、ブリンカーインターナショナル社のオリジナルコンセプト(1988年)であったイタリアンカジュアルレストランのロマノス・マカロニグリルがゴールデンキャピタル社(本社:サンフランシスコ、カリフォルニア州)からイグナイト・レストラングループ(本社:ヒューストン、テキサス州)に売却されています。
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そして、マルチコンセプトレストラン企業のランドリー社(本社:ヒューストン、テキサス州)が、ニューヨークの「ブライアントパークグリル」やミュージアムアーツアンデザイン内のレストラン「Robert」やラスベガスのNYNYホテル内の「アメリカ」、「ギャラガーズ」など、マルチディナーコンセプトを有するレストラン企業、アークレストランツ社(本社:ニューヨーク、ニューヨーク州)の買収協議に入っていることを明らかにしています。
foodrestcom@gmail.com