食中毒への対応

牛肉の大腸菌(腸管出血性大腸菌E.coli O-111)によって食中毒事件が起き、お亡くなりになられた4名様のご冥福をお祈りいたします。
残念なのは、このような食中毒事件が起こってから、各自治体の保険所や厚生労働省が動き出すことです。 厚生労働省も保険所も生の牛肉を食することはリスクが高いことは分かっているはずです。 
肉の表面をそぎ落として生食に利用すると大丈夫だということは、誰も言えないはずです。 例えば、お店でブロック肉の表面そぎ落とすとしましょう。 その時には、ワンカットごとにまな板や包丁を消毒するか、まな板、包丁を何回も取り替えて肉の処理をしなければならないと思います。 
通常、レストランで肉の表面をそぎ落とすとするならば、肉用のまな板1枚と包丁1本を使い処理をするだろうと思います。 もし大腸菌が表面に付着しているとしたら、肉に付着している大腸菌は、まな板に置く時点で手に付着し接着する面からまな板に付着し、切った包丁にも付着するわけですから、肉の切り面を変えていく毎にまな板から大腸菌が肉に付着することになるわけです。 つまり、全く意味のない提案を厚生労働省はしているとしか思えません。 厚生労働省が食中毒のリスクを回避するために行うことは、牛肉の生食を禁止することです。 そして、大腸菌の危険性を常日頃から国民に広報し、保険所の施設、店舗への検査を頻繁に行うべきですなのです。 とにかく、これ以上、同じような事件を起こさないように最善の努力をし適切な対応をすべきです。 
4名の方が亡くなっていて、今も、病院で治療されている人々がおられるのに、厚生労働省の会見には深刻な様相が見れないのは残念です。 厚生労働省は、HACCP(ハサップ)を各施設に義務付けすべきです。 HACCPを推奨している程度では、いつまでたっても食中毒の対応が後手後手になります。 義務付けをして初めて原因究明を早め、川上で対応ができるはずです。 県警と県の衛生研究所や国立感染研究所が動いているようですが、調査の結果は、レストランも食肉処理業者でも汚染原因が見つからないという報道でした。 食中毒死亡事件が発生しているわけですから、原因究明を速やかに行っていただきたい。 分からないということはないはずです。 

大腸菌での死亡事故というと、常に1993年のジャック・イン・ザ・ボックス食中毒事件がよみがえってきます。 その時は、加熱不十分のハンバーガーを食べられた方の中で2名のお子さんが亡くなられ、アメリカでも大きな社会問題になりました。 ジャック・イン・ザ・ボックス社は、ミスが起こらないように調理器具グりドルの全面的な取り替えとマニュアルの見直し、そして、外食業界で初めてHACCPの導入を行いました。 今、アメリカでは、食品に関連する施設、店舗にはHACCP義務付けられ、それを理解する人が常駐しなければなりません。
これから、食中毒の危険性が高まる季節に入ってきます。 安全性の確保ができて初めて食品、外食産業界はビジネスができるわけです。 この事件を無駄にしないようにしていただきたいと願うばかりです。
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