韓米関係の密接さ

10年ほど前、NRA(全米レストラン協会)の会合で韓国のレストランビジネス関係者達と話をしたことがありました。 その当時ですら韓国にはアメリカのチェーンが多く参入していたのですが、まだまだアメリカの外食チェーンを韓国市場に引き入れようとする意欲が大きかったことを思い出します。 その後も韓国にアメリカチェーンが多く出店しているのも良く理解できます。 思うにアメリカに住む韓国系アメリカ人の存在が大きく、彼らは韓米のビジネスに大きな影響を与えています。 典型的な出来事が、アメリカにおける2007年ころからのフローズンヨーグルトブームです。 火つけ役は韓国のフローズンヨーグルトを南カリフォルニアで「ピンクベリー」として展開した韓国系アメリカ人でした。 彼らは南カリフォルニアに住む約30万人の韓国系アメリカ人マーケットを狙って出店したのです。 それがアメリカ人に受け入れられ爆発的な人気となり、韓国から「レッドマンゴー」もアメリカ市場に参入し、2社がフロヨ(Fro-yo)ブームの中心となりました。 また、昨年からフードトラック(移動車)でブームとなっているコリアンバーベキュータコスも韓国系アメリカ人シェフのアイデアから生まれ、全米に広がりつつあります。 10年ほど前から韓国の商品がアメリカの市場に受け入れられ始め、今は料理にまでアメリカの消費者が共鳴する時代に入っているのです。

韓国市場も、また、アメリカチェーンを数多く受け入れています。 数年前に韓国に入ったカジュアルチェーン「フーターズ」は、次いで上海に入り、今年秋にようやく日本にも入ろうとしています。 「アウトバックステーキ」や「カリフォルニアピザキッチン」も韓国では伸ばしていますが、日本では縮小傾向にあります。 今、アメリカでブームを呼んでいる「ベターバーガー」 (マックなどより高級という意味)の代表格、「スマッシュバーガー」も韓国に入ります。 日本で「スマッシュバーガー」をご存じの人はまだ少ないはずです。 それだけ韓米間の情報が早いということを意味します。 どうも韓米関係と日米関係を見てみると、外食産業界でも日米関係の隔たりは大きいようです。
smsh
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