2011年の業界動向を予測と振り返る

2011年も終わりに近づきました。 
F&Rアソシエイツでは、2011年にアメリカのレストラン業界で話題となるであろう事柄を年初のブログ(1月14日付)で発表しました。 一年が経って、アメリカのレストラン業界がどのように動いたのか、主な項目に関してお伝えします。

●サラダコンセプトチェーンの躍進
●ファストカジュアルレストランに盛衰
●ファストフードの朝食メニュー競争激化
●環境対策(グリーン)、ブランドイメージ強調企業増
●ソーシャルメディア、モービルマーケティングへの参入企業増
●オンラインオーダリングシステム採用企業増
●コリアンフードとそのフュージョン料理がブームに
●フードセーフティー強化法でFDAの権力強化

サラダコンセプトチェーンの躍進
70年代後半にオールユーキャンイートのサラダとスープのコンセプトが生まれ、2000年代に入って健康ブームも伴ってファストフードのパッケージサラダのクオリティが向上しました。 サラダコンセプトは益々変化し、今は、サラダ、サンドイッチ、スープを提供するファストカジュアルレストランが主体になりました。 2011年には、サラダワークス、フレッシー、マッドグリーン、トスドゥ、チョップスなどファストカジュアルレストランが各地で店舗数を伸ばしていますが、その一方、サラダコンセプトの先駆者であるスーパーサラダは9月に倒産法11章を申請しリストラクチャリングを行っている事実も存在します。

ファストカジュアルレストランに盛衰
テクノミック社によるとファストカジュアル店の95%はチェーン展開をしているようです。 ファストカジュアルのチェーンでは、パネラブレッド(ベーカリーカフェ)、チポトレ(メキシカン)、パンダエクスプレス(アジアン)、ザクビーズ(チキン)、ファイブガイズ(ハンバーガー)がTOP5です。 ファストカジュアルで最も参入が多いのがメキシカン系列のコンセプトですが、参入が多いだけに90年代に店舗数を増やしたバハフレッシュやラ・サルサの力は無く閉店を続け、ルビオスも勢いを失いつつあります。 ローカルですが、南カリフォルニアで展開を試みたイタリアンファストカジュアルのパスタブラボーの閉店も続いています。

ファストフードの朝食メニュー競争激化
コンサルタント企業のテクノミック社(本社:シカゴ、イリノイ州)が行った2011年朝食トレンドレポートで、平日の朝食をファストフードで取ると答えている人が46%に達すると発表しています。 2009年調査では33%ですから、13%増加しています。 テクノミック社では、朝食は420億ドル市に2011年の朝食市場には後発で参入したウェンディーズ(本社:ダブリン、オハイオ州/約6,600店)も、力を入れ年内に1,000店舗で朝食を提供する体制を組んでいます。

ソーシャルメディア、モービルマーケティングへの参入企業増
スマートフォンの普及で日本の食べログと同様アメリカにもYelp.comがあり顧客がその場でレストランを評価し、TwitterやFacebookを利用したプロモーションでレストランと顧客の相互関係がより深まっています。 レストランチェーンは次々と専用アプリを採用しています。 例えば、クリスピークリームドーナツのアプリ”Hot Light”では、ドーナツが出来上がる度に”Hot Now”通知(受け手が通知頻度を調節できる)をし販促に活用しています。 

オンラインオーダリングシステム採用企業増
オンラインオーダーシステムは2004年頃から始まっています。 そして、2010年頃からのスマートフォンの普及でオンラインオーダーの利用頻度がたかまり、2011年は採用するレストラン企業も一段と増えています。 システムプロバイダーとしてスナップフィンガーが一歩先を走っているようですが、グラブハブはドットメニューを買収し、シームレスはメニューページを買収して対抗勢力として成長してきています。 その他にOLO、リビングソーシャルなど激戦化が始まっています。