終末期を迎えるフレッシュ&イージー

2007年11月ハリウッドに1号店オープンしたスーパーマーケット『フレッシュ&イージー』(本社:エルセグンド、カリフォルニア州)は、イギリスのスーパー大手TESCOがアメリカ西海岸のDINKS世代を狙ったスーパーです。 プライベートブランドを主力に揃え、食肉のパッケージポーションを少量にし、会計は全レーン来店客が商品をスキャンするセルフチェックアウトシステムにするなど、今までにないスーパーを作り上げました。 消費者側からすると企業側の論理で作り上げられたコンセプトで、ナショナルブランドの取り扱いが少なく商品名に馴染みがなく当然クーポンも利用できない、またセルフチェックアウトだけだと不安で困るという声が多いと感じます。 
アメリカ出店計画時と出店時を比較すればリーマンショックによって市場環境が大きく変化したともいえますが、基本、このコンセプトで南カリフォルニアに出店を決めたTESCOのマーケットの読み違いが業績不振の原因だと思います。 『フレッシュ&イージー』は、2007年創業以来、スーパーは利益を生むことなくスクラップアンドビルドを繰り返し、現在、カリフォルニア、アリゾナ、ネバダの3州に199店出店をしています。 2007年から2011年末までにその損失額は9億ドル近くに膨らんだと言われ、ブレークイーブンになると予測される年も毎年づれる一方です。 最近の報道では2013年から2014年の年度に修正されてきました。コンセプトに固執したためか改善策も2011年ころからで効果も上げられずにいます。 今月になってフレッシュ&イージーのCEOを兼務していたTESCOのCMO、ティム・メイソン氏が辞職を表明しました。 それを受けて12月5日TESCOのCEO、フィリップ・クラーク氏は、『フレッシュ&イージー』全店の閉店か売却の可能性も含めて見直しをすると表明しています。

フレッシュ&イージー・ネイバーフッドマーケット
フレッシュ&イージー・ネイバーフッドマーケット
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