2015年、アメリカレストラン業界の動向

新年あけましておめでとうございます。
2015年のアメリカレストラン業界では、消費者の健康志向に対して企業側の健康へのイメージ戦略と商品作りがより活発に行われるだろうと考えます。 また、本物志向でありながらユニークさを求めるミレニアム層(18-34才)のニーズへの対応力も企業には必要になると思います。 引き続きファストカジュアルレストラン(FCR)のフォーマットが話題の中心となると思いますが、FCR自体の表現力や商品力でミレニアム層のニーズに合わないコンセプトは、そのまま発展することなく終わるでしょう。 それがレストランの飽和状態にある業界での宿命です。 それだけに顧客の反応が良いコンセプトは、市場獲得の可能性を求めてFC店舗展開を早めています。 そして展開と共に店舗オペレーションや商品クオリティを維持できるチェーンが、これからのFCRチェーンとしてブランドを確立していくわけです。 

2015年の業界の動き
ファストカジュアルレストラン
 ●FCRピザコンセプトの展開競争

- 西海岸のFCR ピザコンセプト -
– 西海岸のFCR ピザコンセプト –

これら西海岸のチェーンの他に、ピザインが2011年から展開するパイ ファイブ ピザ(コロニー、テキサス州)、2009年からのアンクル マディオズ ピザジョイント(アトランタ、ジョージア州)などが積極的に店舗展開をしています。 スマッシュバーガーの創業者達が新たに創業したライブ バジルピザ(デンバー、コロラド州)やチポトレが資本参加したピツァリア ローカル(デンバー、コロラド州)は、オーガニックな食材を使ってもう一段階意識の高い客層の市場を狙って展開をしています。
健康志向
 ●ローカル食材の採用
数年前からFarm to Tableという表現は使われています。 獲れたものを調理してテーブルで提供するということですから食材が身近にあるということで地産地消ということになります。 つまりローカルな食品がダイレクトにテーブルに上る、フレッシュな食品だというイメージで捉えられるわけです。 アメリカのレストラン業界で「Local」という言葉がこれからも頻繁に用いられます。 
 ●ヘルシーキッズメニュー
全米レストラン協会(NRA)が提唱している子供の健康を考える「キッズライブウェル」ニュートリションプログラムが全米150ブランド(42,000店)に浸透し、業界で健康的な子供用メニューを考えようという動きになっています。
 ●メニューラべリング
2015年12月1日から20店舗以上お店を持つ企業のレストランや食品販売店ではメニューボードにはカロリー表示が義務付けられます。メニューには栄養素の表示または提供できる体制でなければなりません。 2010年から施行が延期になっていましたから条件下の企業では既に対応済みです。
ミレニアム層のこだわりを狙った商品がブームに
 ●ハウスメイドソフトドリンク、コールドプレスドリンク
Lemonad-2014
 ●ネクストジェネレーションのコーヒーショップ
coffee-pieHole
昨年12月スターバックスがシアトルに巨大なスターバックスリザーブロースタリー&テイスティングルームをオープンしましたが、今はミレニアム層が自分たちのザ・サードプレースとして存在を感じる手作り感があふれるコーヒーショップが増えています。
 ●クロワッサンドイッチ
クロワッサンを使ったサンドイッチと言えば、私などはバーガーキングの朝食をイメージしますが、今、ニューヨークではどこへ行ってもクロワッサンサンドイッチが提供されるほどです。 
 ●スパイシー プラス スィート
ホットだけれどもスィートな味がするシラチャーソースの人気を受けて、発想されたのがハバネロソースに蜂蜜を加えたハバネロハニーや同様なハラパーニョハニー、味覚にインパクトを欲しいアメリカ人、ミレニアム層はやっぱりユニークなものが欲しいのでしょう。
最低賃金の上昇
 ●1月1日から20州で最低賃金が上昇 今年は、合計で26州で連邦が定める最低賃金$7.25を超えることになります。
人件費の削減の効果も狙って
 ●テーブルトップタブレットの採用
applebee-tablets-2014 
顧客もオーダーから支払いまで自分のタイミングでタブレットを利用することができ便利と判断する人が増えてくるでしょう。 
2015年、アメリカのレストラン業界が大きく変わる時代に入ってきました。