今の世の中、「タダほど良いものはない。」と思う人が多い

左:KFCグリルドチキン 右:マクドナルドのスペシャルティコーヒー
左:KFCグリルドチキン 右:マクドナルドのスペシャルティコーヒー

ファストフード業界は、消費者の関心度を高めるために常に数々の試みを行っています。 しかし、最近は、無料で新商品を提供することで消費者に新商品を試食してもらおうという方法を取るチェーンが目立ちます。 
例えば、今年4月にKFCがマーケット拡大を狙って、ノンフライドチキンとして発売を開始しました。 企業は、KFCグリルドチキンの販売直後の4月27日に、2ピースミールを全米全店舗(約5,200店)において無料提供するという大胆な方法でその商品をアピールしました。 その商品と競合するチェーンが、南カリフォルニアには存在します。 一時、日本でもチェーン展開を試みたグリルドチキンチェーンのEl Pollo Loco(エルポヨロコ/418店舗)です。 そのEl Pollo Locoは、KFCが無料提供をした翌日4月28日に、2ピースチキンとトルティア+サルサを無料提供する対抗策を講じたのです。 
今週、7月13日から8月21日までの毎週月曜日、マクドナルドでは、モカコーヒー(アイスかホット)の無料提供を行います。 マクドナルドは、5月5日からほぼ全店(11,000店舗)で販売を開始したプレミアムコーヒーの浸透を目指しています。 プレミアムコーヒー市場で、スターバックスが大きく店舗数を減らしています。 そこにマクドナルドとダンキンドーナツが、市場獲得にしのぎを削っているというところでしょうか。 そのスターバックスも、「全米アイスクリーム月間」の7月にプライベートブランドのアイスクリームをWebで登録した人に無料で提供しています。 1日2万名を限度に7月19日「アイスクリームの日」まで。 
景気後退の影響は、かなり大きく消費者に響いているだけに、消費者には商品の無料提供は大きな魅力です。 しかし、ファストフードのマーケットリーダーが、無料提供の手段を取るとフォロアチェーンに与える影響は大きく厳しいものがあります。
foodrestcom@gmail.com