創業以来のヒット商品、タコベル

タコベル(本社:ｱｰﾊﾞｲﾝ､ｶﾘﾌｫﾙﾆｱ州)は、メキシカンフードとして唯一ファストフード業界でＴＯＰ１０に入る全米５７００店舗を有する企業です。　姉妹企業のＫＦＣ、ピザハットと共にヤム！ブランズ社(本社:ﾙｲﾋﾞﾙ､ｹﾝﾀｯｷｰ州)の傘下にあります。

２０１２年３月、タコベルは、ペプシコ社(本社:ﾊﾟｰﾁｪｲｽ､ﾆｭｰﾖｰｸ州)の傘下にあるスナックメーカー、フリトレー社(本社:ﾌﾟﾚｲﾉ､ﾃｷｻｽ州)のポピュラーブランド、コーンチップスのDoritosをタコシェルとして作る「Doritos Locos Tacos」というタコスの販売を全米で開始しました。　その商品が２０１２年末までに販売数３億２５００万個以上を売上げるというタコベル創業以来の大ヒット商品と化しています。　
Doritosには幾つものフレーバーがあり、タコベルは最も人気の高い『Nacho Cheese』で大ヒットを飛ばし、第２弾として『Cool Ranch』のタコスを２０１３年３月から提供し好調さを維持しています。　２０１３年の後半には第３のフレーバーとしてチリ・ライムフレーバーの『Flamas 』のタコスが提供される予定で現在実験中です。　

タコベルは「Doritos Locos Tacos」だけでなく、セレブリティシェフに商品開発を依頼し、クオリティの高い商品群「Cantina Bell」を２０１２年７月から提供しています。　この商品群には、タコベルとしては珍しく単品で５ドルを超える商品も提供されているのですが、これらも好調で上記商品と共に２０１２年度のタコベルの売上前年比８％増に貢献しています。

２０１２年のネット消費者ブランド認知度調査(YouGov BlandIndex)ではチポトレに迫る評価を得ています。２０１２年１０月には新プロトタイプ店舗もデビューさせています。　
「Doritos Locos Tacos」は、タコスという既存商品のタコシェルをDoritosに換えただけなのです。既存商品を見直すことで業績を上げることができるということです。

タコベルとチポトレの２００７年から２０１２年までの売上前年対比の伸び率を表したグラフで見ても、赤色のタコベルの浮き沈みの激しさがお分かりだと思います。　タコベルにはその都度都度に業績を落とした理由があるからです。　２００６年末にはレタスによるＯ１５７による食中毒、２０１０年半ばにはサルモネラ菌による食中毒を起こしています。　２０１１年前半には、カリフォルニアの女性による商品に含まれる牛肉が牛肉まがいのものが含まれているという訴訟が起こされ３か月後に訴訟は取り下げられましたし、末頃には規模は小さいですが再びサルモネラ菌による食中毒を起こしています。　これらの事件や訴訟でタコベルはブランドイメージを大きくダウンさせてしまいました。　
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