カジュアルレストラン

カジュアルレストランと言えば、TGIフライデイズ(527店)、チリズ(1269店)、アップルビーズ(1869店)が代表的なチェーンです。 そのカジュアルレストランもファストカジュアルレストランの台頭によって顧客を奪われ業績が低迷しています。 そのことは、以前からも何度かレポートをしていますが、この3チェーンの中でも違いが見え始めています。 
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先日、TGIフライデイズ(TGIF)を40年近く傘下に置いたカールソン社がチェーンの売却に踏み切ったことに触れましたが、TGIFといえば、カールソン社の下、カジュアルレストランの中でも店舗の内外装デザインやブランド力育成のため積極的に投資を行っていた印象があります。 TGIFというと、毎年、バーテンダーの技能を競う世界大会を催しているように、バーを主体としたレストランビジネスを営んでいるタイプのカジュアルレストランです。 7月7日から期間限定で始めたプロモーション「エンドレス・アペタイザー」も、お一人様10ドルでアペタイザー(前菜)1種類を食べ放題にいたしますというものです。 これは食事をする人に向けたプロモーションではなく、食べ放題のアペタイザーを食べながら飲んでくださいという企画です。  各州で飲酒運転の規制が益々厳しくなるアメリカ社会では、カジュアルレストランでもファミリーをターゲットに料理を主体としたレストラン経営をすることが主流です。 バー主体のカジュアルレストランは、フリハンズ、ベニガンズ、チャンプスといい90年代から2000年代に掛けて皆、経営に失敗をしています。 カールソングループから離れたTGIFが同じようにならないことを祈るばかりです。
TGIF「エンドレスアペタイザーのTVコマーシャル」(Youtubeより)

チリズとアップルビーズでは、何んとかファストカジュアルに奪われた客層を呼び戻そうと努力をしている様子が分かります。 チリズが2年ほど前から「Two for $20 deal」2人の食事(前菜1品と主菜各自1品)で合計20ドルというプロモーションを行いアップルビーズも同様に継続をしています。 両チェーン共に必要以上のディスカウントは避けたいと考えているようです。 今、チリズは直営店823店舗の各テーブルにテーブルトップディバイス(Ziosk製)を設置しました。 顧客は着席後、ウェイター、ウェイトレスを待たずにテーブルからディバイスを利用して直接メニューの注文、その待ち時間にゲームを利用し、カードで支払いを済ますことができます。
チリズのディバイスの機能を説明する人(Youtubeより) 

アップルビーズも同様のディバイス(Presto製)を設置しつつあります。 ここのところ既存店の売上が上がっていないアップルビーズは以前に行ったプロモーションを期間限定で再び開始しました。 
アップルビーズの独自調査では、調査対象のミレニアム世代約50%がレストランでのオーダーに戸惑い何を注文すればよいのか決められないといいます。 そこで「Take Two Menu」というプロモーションは、商品を決められない人にメニューから2アイテムを選んでもらい、それらを一つのプレート($10.99~)で提供しますというものです。 
アップルビーズ「Applebee’s Take Two MenuのTVコマーシャル」(Youtubeより)

カジュアルレストランが健全と存在していこそ、レストランゴーワーズにはファストカジュアルを使う楽しみがあるのではないでしょうか。 FoodRest.com