バーガーキング、ブランドイメージを変える難しさ

バーガーキングは、今後ターゲット客層を広げることによって売上の回復向上を狙っているわけですが、今まで若者を中心にビジネスを行ってきたブランドイメージは、簡単には消費者から拭い去ることはできないでしょう。 当然ですが、ターゲットは、絞る場合よりも広げる場合の方が難しいわけです。 結果、ターゲットを広めるという戦略が、店舗側にハンドルする原材料の在庫を増やしオペレーションの混乱や遅れを生じる可能性があります。 そして、それが消費者を混乱させてしまって業績が伸びないということになります。 
バーガーキングは、イギリスのグランドメトロポリタン社の傘下にあった90年代よりも2000年から2年間傘下にあったイギリスの酒類販売会社ディアジオ社時代の方が業績を落としています。 2002年頃はマクドナルドも最悪の時期でしたが『ダラー($1)メニュー』の提案や『メイドフォーユー』体制を作り上げ改善策を模索していた頃でした。 2002年末にテキサスパシフィックグループ社がバーガーキングを買収して、バーガーキングは久々にアメリカの企業になりました。 2004年からCEOに就任したグレゴリー・ブレネマン氏によって、バーガーキングの新たな戦略がたてられ、特に朝食メニューの充実により業績が向上したのです。 バーガーキングにとってマイナスだったのは、ブレネマン氏がバーガーキングが上場する2006年前に辞職したことだったと思います。 以来、チゼイ氏がCEOを務め昨年の3Gキャピタル社による買収時まで就任し、ブレネマン氏が築いた基本路線を維持継続していたというわけです。 
約7年間、バーガーキングがコアターゲット層の若者に受け、話題を呼んでいたのがバーガーキングのWebサイトです。 それが、効果的に業績に連動しなかったこともマイナスの一つでしょうが、ターゲット層にバーガーキングのブランドイメージを運んでいたことは事実です。 3Gキャピタル社が、そのイメージを変えて業績を上げるには今までにない大きな変化やプロモーションが必要だと考えるのですが、新CMを見てもオーソドックスな形で打たれていますから、消費者の持つブランドイメージを変えるにはかなりの時間がかかるだろうと思います。 このまま業績を落とすと、多くのフランチャイジー(FCジー)がブランドから離れていくことにもなるでしょう。 既に多くのFCジーが倒産をしてきていますし、今も300店以上のバーガーキングを持つ最大手のFCジー、キャロルスレストラングループ社が、離脱をすることを検討していると言われています。
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