レストランも変わっていきます。

アメリカの高級レストランの業績は悪くありません。 つまり、高額所得者が利用するレストランとしての地位を確立しているレストランはコアなサポーターが付いているということです。 中には、セレブリティ―シェフ、チャーリー・トロッター氏の超人気レストラン「チャーリー・トロッター」のように開業25周年でシェフが閉店を決めてしまうというレストランもあります。残念ですが、今年8月で閉店のようです。 
カジュアルレストランは、今も2人で3コースを20㌦で提供するという手法でビジネスを継続していますが、高騰する経費に苦悩しているのが現状だと思います。極力直営店を売却してフランチャイズでブランドを維持しようという企業、別業態としてファストカジュアルに進出する企業も出てきています。
一例として、2011年5月、カジュアルレストランのBJ’sレストラン&ブリューアリー(本社:ハンティングトンビーチ、カリフォルニア州)の創業者が「スタックド」(本社:ニューポートビーチ、カリフォルニア州)というバーガーとピザを主体とするレストランを出店しました。 ここでは、人件費を削減するためにiPadをメニューとしてテーブルに設置しています。 お客様には、iPod メニューを操作し自分の好みに応じて商品をクリエイトする楽しみを提供しています。そして、その端末を通してオーダーをし、会計までを済ませるというコンセプトです。 スタックドは、2011年末までに他2か所に出店をし現在3店舗で経過を見ながら、4号店出店の準備を行っています。
今は、レストランのテーマや雰囲気を楽しみ、テーマにあったサービスを受け、その商品をいただくというレストラン本来の付加価値を見出してもらえる顧客が減少している時代です。レストランが顧客のニーズを測りながらビジネスをアジャストしなければなりません。
iPad メニューからのオーダー風景
ご覧の通りオーダー風景です。 最初は、ポテトをオーダーするためにディップするソースを選んでいます。 そして、内容が決まった段階でまずキッチンにデータ送信(Sending)の文字が浮かび上がります。 その後、バーガーにするかピザにするかなのですが、友人は既にバーガーを試していたのでピザを頼むことにしました。 ピザを選びトマトソースからバジルソースに変更し、その後トッピングのチーズや野菜、ミート類を選んでいる途中ですが、長引くので編集しました。 実際、このチーズはトッピングを乗せ過ぎてしまいました。 それでオーダーを送信したのですが問題が起こりました。 問題は、レストランの従業員の誰も我々のオーダーを知らないということです。レストランの従業員は、フードランナーという商品をテーブルまで届ける人ですから、どのテーブルがどんな商品を頼んだのかを知りません。データのやり取りですから、キッチンのデシャップで出来上がった商品とテーブルを確認して、その商品をテーブルまで届けるわけです。 我々の商品(ピザ)は、40分待ってもテーブルに届きませんでした。 痺れを切らして、まだ届かないことを告げてようやく従業員が動いてくれました。 混乱したデシャップに置き去りにされていたのでしょう。 ピザは温かさも失っていました。 付き返して、結局ピザを食したのは、オーダーしてから1時間ほど経っていたのです。 新店で食事をしたので、従業員のトレーニング不足の結果だといえますが、テクノロジーを使う時の盲点はいくつもあるものです。
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