カタリナレストラングループの売却

ゼンショーアメリカ社は、ファミリーレストラン企業のカタリナ レストラングループ社(カールスバット、カリフォルニア州)をマルチレストランコンセプト企業のフードマネジメントパートナーズ(FMP)社(サンアントニオ、テキサス州)に売却し3月末に譲渡が完了します。 
日本でココスを展開するゼンショーホールディング社は、子会社のゼンショーアメリカ社を通し2006年にファミリーレストランのココス(114店)とキャローズ(96店)を運営するカタリナR.G.社を買収しました。 業界では2008年頃からファミリーレストラン各社がブランド復興のためリモデルやカジュアルレストラン化の構想が持ち上げていました。 買収後は、キャローズの不採算店を減らしココスのリモデル化を進め業績改善に努め、加えて、2012年にファストカジュアルのシステムを取り入れた新コンセプトRanch House Cafe & Grill(ランチハウスカフェ&グリル)を2店舗テスト出店しています。 残念ですが、新コンセプトの出店は既存店からの転換で外装には手を加えず看板とテントだけを替えただけで終わっています。 これでは表現が不十分で新しいコンセプトの内容を伝えることができず、新規顧客の導引にも力が発揮できない。 ファストカジュアルのシステムを取りながらコンセプトを周知できない店舗を造り上げてもテストで何を得ることを目的にしているのか疑問です。 ここにカタリナR.G.社を統率する力の不均衡さが見て取れます。  

Ranch House Cafe & Grill
Ranch House Cafe & Grill

ファミリーレストランのファストカジュアルレストランのテスト出店は、2011年にIHOPエクスプレスやデニーズカフェと続きましたが、デニーズカフェは1年ほどで閉店しIHOPエクスプレスも1店舗止まりで顧客評価を見る限り状況は良くなさそうですので成功しているとは言えません。 ただ、デニーズは同時期に大学構内に出店したデニーズオールナイターは進化を遂げ、現在、The Denという名のファストカジュアルレストランとして大学構内に着実に出店をしています。 
ココスは、80年代には化学工業企業W.R.グレイス(現グレイス)社傘下のレストランとして店舗を増やしましたが、スピンオフ後、姉妹企業のキャローズやエルトリート(メキシカン)などと共にレストラングループをで運営していましたが業績が上がらず数度買収され、ココスとキャローズは1996年にデニーズを運営していたアドバンティカレストラングループ社の傘下に入り、2002年にアドバンティカR.G.はデニーズ社と改名しデニーズ(1707店)だけを運営し、ココス(174店)とキャローズ(138店)はカタリナレストラングループ社として独立することになったわけです。 今回、カタリナR.G.を売却する時点の店舗数は、ココスが109店舗、キャローズが52店舗です。 FoodRest.com