カールスJr.新商品とCMの意味

日本再上陸に意欲を燃やしているハンバーガーチェーンのCKEレストランツホールディング社(本社:カーピンテリア、カリフォルニア州)が、7月23日より新商品「Texas BBQ Thickburger」をカールスJr.と姉妹チェーンのハーディーズで販売しています。 
Carl's Jr-TexasBGR
スモークしたブリスケットにバーベキューソースをかけその上にとろけたアメリカンチーズを被ったパティ、パティはチャコールで焼き上げたブラックアンガスビーフのハーフパウンダー(約227g)かサードパウンダー(約151g)の2種類、ハラペーニョのフライとオニオンストリップを乗せ店舗で焼き上げたバンズに挟んだビッグなハンバーガーです。 
カールスJr.では、2001年、創業60周年記念に開発した「Six Dallar Burger」の発売をきっかけに、以来、成人男性をターゲットにしたビーフたっぷりボリューミーなハンバーガーを提供しています。 新商品の名称にある「Thickburger」は、実はハーディーズ側のボリューミーバーガーの呼称です。 今までにもカールスJr.で「Six Dallar Burger」のシリーズを発売する時には同商品をハーディーズでも販売をしていますが、その呼称は常に「Thickburger」に置き換えられて販売されてきました。 例えば、2005年にカールスJr.が「Super BBQ Six Dollar Burger」の発売時、ハーディーズではその商品を「Spicy BBQ Thickburger」という名称で販売されています。 ここで、CKEレストランツホールディング社(CKERH)として「Texas BBQ Thickburger」で両ブランドを統一管理したい意向が見て取れます。 実は、1997年、CKEレストラン社がハーディーズを買収した当時、ハーディーズの店舗をカールスJr.に転換をしようと試みましたが数店舗に留まってしまい、結局、ロゴマークのデザインだけをカールスJr.仕様に変更したという経緯があります。 それほどハーディーズFCジーの力が強いのだろうと思います。 逆に「Thickburger」名を使うことによって統一できるというわけです。 先ほど例に出しました2005年「Super BBQ Six Dollar Burger」TVコマーシャル(TVCM) でもそうです。 カールスJr.ではパリス・ヒルトンを起用し話題を呼びましたが、東南部に展開するハーディーズのFCジーはTVCMを流すことを拒否していました。 批判は絶えずあるもののコアターゲットを狙えるセクシーなモデルと高級ハンバーガーを見せつけるTVコマーシャルの企画は、その後も継続されて来ました。 今回の「Texas BBQ Thickburger」でも採用され、再び2005年のTVCMに似た構成で作り上げられています。 モデルにテキサス州出身でスポーツイラストレイテッド・スイムスーツのモデル、ハナ・ファーガソンを起用して商品と関連させて「Texas Girl」と書かれたプレートを強調する場面も出てきます。 そして、TVCM終盤にパリス・ヒルトンを登場させ、2005年以来続けてきたTVCMが一循環したことを訴えてこのシリーズを終了させる意味合いもあるようです。
「Texas BBQ Thickburger」のTVコマーシャル (YouTubeより)
Carl's Jr-TexasBGR-TVCM   
ロアークキャピタルグループ社(本社:アトランタ、ジョージア州)が2012年に買収しCKEレストランツホールディング社(CKERH)となった現在もアンディ・パヅァー氏が引き続きCEOを務めています。 カールスJr.とハーディーズのFCジーも一応支持していると思いますが、競合が激しい国内の売り上げには大きな変化は求められないでしょう。 それだけに海外出店がCKERH社にはキーになります。 7月初めにカザフスタンで海外店舗600号店をオープンさせ、7月半ばに同社は初めて海外ディビジョンを設置しネッド・ライアリー氏を担当社長に就任させています。 そのネッド・ライアリー氏が6月に来日したように、日本も彼らの有力なマーケットの一つなのは変わりないでしょう。 
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