QSR企業のファストカジュアルへの試み(2)ーKFCイレブンー

QSR企業が現状打破のため、今、最も人気を得ているファストカジュアルレストラン(FCR)のフォーマットを作り上げ出店するパターンが増えています。 
KFC(本社:ルイビル、ケンタッキー州)も同様で、8月5日、ファストカジュアル「KFCイレブン」を地元ルイビル市のハイランズ地区にオープンをします。 ハイランズ地区はルイビル市内でもアップスケールな立地です。 新店舗は、その地区の北西の端にあるKFCの大型店舗をリモデルしたものです。

リモデル出店したKFCのファストカジュアル「KFC eleven」
リモデル出店したKFCのファストカジュアル「KFC eleven」

FCR出店立地としては問題が無いのだろうと思います。 ポイントは、地元の人達が従来からある「KFC」とリモデル後の「KFCイレブン」をどのように評価をするかがポイントだろうと思います。 
このコンセプトでは、KFCのコーポレートカラーやカーネルサンダースのイメージは登場しません。 KFCのコアアイテムであるカーネルサンダースのオリジナルレシピーのフライドチキンも売られません。 それに代わってオリジナルレシピーのボンレスフライドチキンを使って、フラットブレッドサンドイッチ、サラダ、ライスボールなどフレッシュな食材を使いながら健康的な商品がチポトレのようにお客様の目の前で作り提供する、まさしくファストカジュアルなコンセプトでの運営です。  
ここでのポイントは、QSR企業がFCRコンセプトを維持継続していけるのかということです。 
例えば、この店舗にはドライブスルーがあり、それを当初から活用するようです。 FCRコンセプトは、商品クオリティを重視するため商品提供スピードに時間が掛かります。 営業が落ち着けばドライブスルー専用プロダクトラインを持つことは難しいですからオペレーションに混乱が生じる可能性もあります。 そして、粗雑な商品が提供される結果を招くことにもなります。 新コンセプト担当チームがどれだけシュミレーションをしながらトレーニングを行っているかが、今後の展開のためへのブランド力造り、既に同市内に出店が決まっている2号店への集客に繋がります。 新コンセプトオープン後を楽しみにしましょう。
今までのKFCの事業展開を見ていると、トレンドを安易に追いすぎてやり始めたことを上手く維持継続できない傾向にあるように見えます。  担当者のコメントでは、2号店までの状況を見てこのコンセプトを評価するようです。 ただリモデルしただけに終わってしまう場合もありそうです。  
foodrestcom@gmail.com