マクドナルド、高級バーガー再度の失敗

マクドナルド、アンガスサードバーガー
マクドナルド、アンガスサードバーガー
マクドナルド(本社:オークブルック、イリノイ州)が、アンガスサード(パウンダー)バーガーの発売中止を決定しました。 
アンガスサードバーガーは、2009年ファストカジュアルのベターバーガーが話題の中心であった時期にマクドナルドが全米販売を決めた1/3ポンド(約151g)のパティを使ったボリュームのあるハンバーガーです。 
マクドナルドにとってはアンガスサードバーガーは2001年のビッグ・ン・テイスティバーガー以来の全米展開ハンバーガーでしたが、最初に実験販売を行った2006年末から、全米販売を決めるまで2年以上掛けて各地で実験販売を行っています。 その間にリーマンショックもありましたから慎重にならざるを得なかったのでしょうが、マクドナルドには、1991年のマックリーンデラックス(健康を考え脂肪分を91%取り除いたバーガーパティを使用)、1996年のアーチデラックス(他社との差別化で高級感を打ち出したハンバーガー)の失敗がトラウマとなっていたのかもしれません。
アンガスサードバーガーが全米で販売された2009年当時、マクドナルドでは、並行してマックカフェの設備も導入されていました。 今までのマクドナルドの業績の好調さは、マックカフェ商品の販売が貢献してきたと言えますので、あまりアンガスサードバーガーの売上について話題にされてきませんでした。 2012年後半に業績を落としたことによって、アンガスサードバーガーの存在価値を見直したように思えます。 ビーフ他原材料の値上がり、ベターバーガーの台頭という環境は、今のマクドナルドに、より利益率の高い商品の開発を求めさせたのだろうと思います。 
それは、マクドナルドが、5月13日に発表した新商品のクォーターパウンダーハンバーガー3種類に見て取れます。 新商品は、サクラメント市(カリフォルニア州)で9か月ほど実験販売を行っていたもので、6月から全米で新販売されます。 
時代時代において、マクドナルドは他社との差別化を図ろうと高級ハンバーガーを提供していますが、それらの商品は消費者が持つマクドナルドのブランドイメージからかけ離れているということだろうと思います。 
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