ピザ業界のファストカジュアル

ファストカジュアルのフォーマットは次々と広がりを見せ、既存業態でビジネスをしている企業もファストカジュアルフォーマットの人気を見過ごせなくなっています。 カジュアルレストランのアップルビーズ(本社:カンサスシティ、ミズーリー州)は、2012年7月、店舗の一部にエクスプレス・ランチコーナーを設けファストカジュアルレストランスタイルで商品提供を実験した結果、好評を得、エクスプレスランチコーナーを23店舗に増やしています。 
ピザ業界では、テキサス州の古参チェーン、ピザ・イン(本社:ザ・コロニー、テキサス州)が、2011年6月にファストカジュアルコンセプトの「パイ・ファイブ・ピザ」を出店し店舗数を増やしています。 「パイ・ファイブ・ピザ」のコンセプトは、クオリティとスピードを重視したもので、作業台とイーピンジャ(ベルトコンベア型オーブン)が来店客から見える店舗造りです。 店舗造作にコストがかからないのでFC展開もしやすいだろうと思います。 
南カリフォルニアでは、店内にピザ釜を設置して本格的なピザをファストカジュアルレストランスタイルで提供しようというレストランコンセプトが生まれています。 2012年8月にカリフォルニア大学アーバイン校内に出店をしたブレイズ・ファストファイアード・ピザ(本社:パサディナ、カリフォルニア州)は、その2か月後にフランチャイズ化を進めるための基本(プロトタイプ)店舗をパサデナ市内に出店させ、現在は、南カリフォルニアで店舗数を増やしながらシアトル、デンバー、ニューヨークなどで次々とフランチャイズ契約を結んでいます。 

ブレイズ・ファストファイアード・ピザ
ブレイズ・ファストファイアード・ピザ

ピザ業界では、2000年代初めにカリフォルニアピザキッチン(CPK)(本社:ロサンゼルス、カリフォルニア州)がファストカジュアルコンセプトの「ASAP」をいち早く出店しましたが、限定されたメニュ―と店舗サービスの簡易化だけでは客足を伸ばせなかったようです。 顧客側は、ただ、小型簡易カリフォルニアピザキッチンという受け止め方で、そこには「スピード」や「価格」など顧客が直接感じる魅力に欠けていたのです。  ロサンゼルスでは、「800ディグリーズ」や「ブレイズ・ファストファイアード・ピザ」が、それらを提供して人気を得ています。
これからサンドイッチのサブウェイ(本社:ミルフォード、コニチカット州)もこのファストカジュアルピザレストランに参入します。 スバロ(本社:メルビル、ニューヨーク州)もモール内のフードコートで新たなファストカジュアル店舗を実現しようとしています。 そこに企業が考えるファストカジュアルピザレストランの魅力をどのように打ち出せるかがポインとだと思います。 
既にいくつものコンセプトが各地に生まれているファストカジュアルピザレストラン、これからは、自分が選んだ具材で作られた本格的なピザが5分以内で提供されるという店舗がどんどん増えてくるでしょう。
foodrestcom@gmail.com 

余談ですが、吉祥寺の「センプレピッツァ」も頑張ってられますが、オーブンでなくピザ釜が設置されていたらもっとお客様も待っていて楽しいだろうと思いますね。*